第3回弁論期日のご報告

      2016/04/19

2014年2月25日、4月22日に続いて、7月8日に第3回弁論期日がありました。

驚いたのは、法廷上の原告弁護団の弁護士さんの人数の多さ、若さでした(私はこれまでの公判も傍聴していて、前からだったかもしれないが昨日になって気づいた)。

まず、その分厚い人材を擁する弁護団から、「地震・津波のメカニズムと重要な知見」と題するパワーポイントを使った弁論がありました。
また、弁護団より裁判官に向けて、事前にコピー(あとの報告集会で知ったのは、これらは弁護団が東京の国会図書館まで行ってコピーしてきたとのこと、お疲れ様です)で渡されていた資料のほかに、「ここを読んでください」という付箋入りの参考書籍が渡されました。
対する国・東電側の弁護団は法廷では3人のみ。また、弁護側主張に対して、「認めない」とする答弁書が事前に提出
されていたようで、被告側の弁論はありませんでした。

報告会でのお話で、原告側の主張のポイントは:
1.平成12年、14年の(地震活動の)長期評価
2.西暦869年の貞観津波

対する被告側の主張は:
1.原子力を巡る法令体系、原発事故の事実経過
2.第1次的責任は東電にあり、国は補完的第2次的責任しか負わない。国は、東電の判断が合理的かどうか審査するだけの権限しかない。
というようなものでした。

次回は、規制権限不行使の違法性の判断枠組み(理屈面)を巡って、原告側から反論をする予定です。

続いて、第二次提訴の原告・南相馬市のKさんから、意見陳述書が読み上げられました。
報告会でどなたかがおっしゃっていたように、マイクの音量がとても小さく、裁判長を含め、すべての方の発言が聞き取りにくかったのは残念ですが、それでも残してきた(避難せよと送り出してくれた)義理のご両親や避難したくてもできないでいる人たちへの思いやお子さんの将来への不安など、Kさんの訴えは皆さんにしっかり伝わっていたと思います。

報告会はいつもの通り、「ぽかぽかというより、ムシムシですけど」と冒頭一発笑いを取った津久井弁護士をはじめ、兵庫弁護団らしい「ぽかぽか」な雰囲気で、京都や大阪からだけでなく愛知からも駆けつけてくださった弁護士さんたちのエールや、上記でも書いたように、裁判の内容などについての丁寧な解説がありました。避難者への支援「みちのく談話室」を事故直後からされている石東さんから、「母子避難者に対して、現地に残るお父さんへの支援の必要性」を訴えるアピールがあり、またこちらに避難されている原告代表の橋本さんからは、「20年先はどうなるのかという焦りがある。子どもたちの健康への不安は続く。」という訴えや、べこっこカフェの案内などもありました。
兵庫の弁護士さんからは、資料集めや一番大きな法廷を確保し続けるためのご苦労などや、また京都の弁護士さんからは、昨日午前大阪であった裁判の勝訴を例に、世論からのエールとしての傍聴の大切さが語られました。

 - 活動報告